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模写する

2019年12月11日【ブログ】

手持ちの短刀の全身押形を奈良の関山研師に描いて頂きました。
もう10年近く前から、関山研師の描く刃文が一番好きなんです。
雰囲気を真似ようとするのですが同じにはならず、必ず自分の雰囲気になってしまいます。。
真似るならやはり手元に無ければという事で描いて頂いたわけです。
で、4日かけて模写しましたが、やはり自分の雰囲気にしかならず・・・。

墨を使う押形の一番難しいところは筆の使い方だと思いますが、押形の雰囲気を決定づけるのは刃文情報の取捨選択かも知れません。
これはもうセンスとか才能という事になってしまうので、真似は無理ですね。
幸い昭和の刀装具研究家、勝矢俊一先生が「比較優劣論は限度を守りたい」という言葉を残してくださっているので(大阪歴史博物館 図録「特別展 勝矢コレクション刀装具受贈記念 決定版 刀装具鑑賞入門」より)、比べて落ち込むのはこれくらいにして、自分らしい押形に専念します。

 

 

無題

2019年12月07日【ブログ】

無銘古一文字、在銘古一文字、無銘福岡一文字などを拝見。
古一文字の奥ゆかしさが好きで、拝見する度に備前刀の凄さを感じる。
この福岡一文字は二回目。一度目よりも遥かによい太刀だと感じた。古備前や古一文字の方が私は好みなので、前回拝見した時はこの太刀の良さに目が追いついて居なかったようだ。
鑑定会では何度か出ている刀は手に取らずとも当たりが分かってしまうので、パッと見てすぐに置いてしまう方も多いと思うがそれではもったいない。
良い刀は何度見てもよいものだし、本当に良い刀は何度も見るほどに良さが増す。

写し物の新作刀全身押形を描く。まだ途中。。直刃だが働き豊富で時間がかかる。

25年振りか、貼り艶を本気で試してみた。
私の周りでは貼り艶を良く言わない人が多かったため、本気試しはしないまま今に至り。。
研ぎの事を分かって来ると、そのネガティブ情報は間違っていると感じるわけだが、それでも若い頃のすりこみからは抜け出せにくく。
貼り艶を使わないなりに、貼り艶の良さは色々想像していた。
貼り艶の最大のメリットが”散らない逃げない”程度に考えてしまうと、こんなに凄い物を使わない失敗をしてしまう。

重美の新刀と重文の古い備前物を拝見。
以前から感じていたが、手持ちがズドンと来るほどの重量を残す古い備前物の映りは、普段目にする映りとは状態が違う事がある。
減っていない映りには、映りの輪郭にも匂い口状の白い筋があり、刃文と刃文(映り)が暗帯部を境に背を向け合っている様に見える。

古青江の押形を

2019年11月21日【ブログ】

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ちょっと久々に押形を描く。
古青江生茎在銘太刀。
反りが深い。映りが凄い。重ねが非常に厚い。

刃艶をつくる

2019年10月29日【ブログ】

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寒くなる前に刃艶を。
前回はいつ頃作ったかと思い、ブログで確認すると約1年前。
前回も同程度の量を作ったので大体一年でこれくらいの消費で、刃艶の消費量は多いタイプの研師だと思います。
見た目は悪いがこの石は確実に良いと確認済みの物ばかりで、私の中では最上クラスの一種。
使えるか使えないか分からない物に、切って磨って貼ってと手間を掛けるのは嫌なものですが、良いと分かっていると気持ちの苦労は大分軽減されます。

研師暦が長くなるほど、同じ刀を研いでも砥石の減りは少なくなります。
経験が浅い人に下地をさせたり内曇りを引かせてみると、あまりの砥石の減りに驚かされます。
内曇りなどはそれが分かりやすく、刀一振りに内曇りを効かせるだけで、自分が引く時の2倍どころか3倍か或いはもっと減っているのではないかと思うほどに減ってしまいます。
経験は大事です。
刃艶はそれとはちょっと別の話。

 

柾目に丁子

2019年10月28日【ブログ】

そういえば、先日の鑑定刀5号、完全な柾目に派手な丁子刃。
普通なら柾肌に刃文が引っ張られ、匂い口が柾目で切られ食い違いの働きが現れたり、砂流し状になるなどの現象が起こるところですが、その様な箇所は一切なく、刃中に柾状の匂いの筋が見て取れる箇所が僅かにあるだけでした。
研ぎの影響もありますがかなり強く現れる柾肌に、破綻の無い丁子刃。現代の目線での好みや良否は別にして、当時はかなり斬新なものだったと思います。

日刀保京都府支部 入札鑑定会

2019年10月21日【ブログ】

今回は本部より日野原大先生を講師にお迎えし入札鑑定会が開催されました。

一号 刀

重ね厚め、若干細身で鎬が高い。反りが浅いが鎌倉時代の刀。
直刃調子。よく働く。明るい。物打から横手下の冴えが好き。片落ち風になる部分の谷など、少し逆がかる働きがある。大体丸い帽子。返りが5㎝ほどある。少し棟を焼く。
板目よく詰む。全面に強めの錵映りで、ここまで良い刀でなければ再刃だと思ってしまうほどの強さ。

映りの錵がもう少し弱くて乱れていれば雲類に入れたくなる。
刀身中程の少し焼きが下がる部分が来国光に見える。 来国光と入札。

 

二号 太刀

反り深い。踏ん張りが強く、応永備前の太刀。 腰を開く丁子や互の目。 研ぎが古く、強い切り込みもある。差し込み風だが弱い刃取りを行っていたものか。
乱れ映りが鮮明。
私は康光と盛光の太刀の違いを判別できないので、以前見た品のイメージで。 長船康光と入札。
 
 
 
三号 寸延

少しフクラ枯れ、応永姿。刃の高低は少ない。二号とはタイプの違う映り。刃錵が付き、錵の部分は明るいが匂いは沈む。
南北朝の品だと話す声が何度も耳に入ってしまう。。
二号が康光で、三号が盛光、応永備前代表工が並んでいるのかなぁと思いつつも答えは南北朝だとの声に引っ張られてしまう。。
ちょっと一旦離れる。
 
 
 
四号 刀

少し反る。中央から横手下に掛けてぽってりした姿。刃の調子が虎徹。
地刃明るい。多分かなり硬い地鉄。少し前に研磨した虎徹の苦労が思い出される・・・。
虎徹帽子。 興里と入札。
 
 
 
五号 刀

総柾目が強く現れる。焼き高めの丁子刃。足等、刃中の働きは少ないが、刃文の形や調子が非常に上手く、福岡一文字をよく再現出来ていると思う。
この刃は初代是一だと思うが、今まで研磨させて頂いた是一でこの肌は無く、入れられず。。
焼き刃の質は全く違うが、ちょっと分からないので大慶直胤と入札。
 
 
 
三号、この刃は小反だと思う。南北朝で家助だと何度も聞こえて来るが、ちょっと入れたくない。。
家久って居た気がするので、小反家久と入札。
 
 
 
同然
同然



 
 
 
三号、ん?ちょっと惑わされ過ぎか。康光に。
五号、こりゃやっぱり是一。
 
 
 
同然
同然
同然


 
 
 
一号  刀 無銘 伝了戒   (重要美術品)
二号 太刀  銘 備州長船盛光(特別重要刀剣)
         応永十二年八月日
三号 脇差  銘 備州長船家助
         応永廿三年二月日
四号  刀  銘 住東叡山忍岡邊長曽祢興里作(藤沢乙安コレクション)
         延宝二年六月吉祥日
五号  刀  銘 武蔵大掾藤原是一

初代是一、私はたまたまあまり見る事なく来たのですが、柾目がスタンダードという解説。今まで研磨させて頂いた詰んだタイプの方が少数のようです。勉強になりました。
先ほど銘鑑を見たら小反に「家久」は居ませんでした。