日刀保京都府支部 入札鑑定会

2019年10月21日

今回は本部より日野原大先生を講師にお迎えし入札鑑定会が開催されました。

一号 刀

重ね厚め、若干細身で鎬が高い。反りが浅いが鎌倉時代の刀。
直刃調子。よく働く。明るい。物打から横手下の冴えが好き。片落ち風になる部分の谷など、少し逆がかる働きがある。大体丸い帽子。返りが5㎝ほどある。少し棟を焼く。
板目よく詰む。全面に強めの錵映りで、ここまで良い刀でなければ再刃だと思ってしまうほどの強さ。

映りの錵がもう少し弱くて乱れていれば雲類に入れたくなる。
刀身中程の少し焼きが下がる部分が来国光に見える。 来国光と入札。

 

二号 太刀

反り深い。踏ん張りが強く、応永備前の太刀。 腰を開く丁子や互の目。 研ぎが古く、強い切り込みもある。差し込み風だが弱い刃取りを行っていたものか。
乱れ映りが鮮明。
私は康光と盛光の太刀の違いを判別できないので、以前見た品のイメージで。 長船康光と入札。
 
 
 
三号 寸延

少しフクラ枯れ、応永姿。刃の高低は少ない。二号とはタイプの違う映り。刃錵が付き、錵の部分は明るいが匂いは沈む。
南北朝の品だと話す声が何度も耳に入ってしまう。。
二号が康光で、三号が盛光、応永備前代表工が並んでいるのかなぁと思いつつも答えは南北朝だとの声に引っ張られてしまう。。
ちょっと一旦離れる。
 
 
 
四号 刀

少し反る。中央から横手下に掛けてぽってりした姿。刃の調子が虎徹。
地刃明るい。多分かなり硬い地鉄。少し前に研磨した虎徹の苦労が思い出される・・・。
虎徹帽子。 興里と入札。
 
 
 
五号 刀

総柾目が強く現れる。焼き高めの丁子刃。足等、刃中の働きは少ないが、刃文の形や調子が非常に上手く、福岡一文字をよく再現出来ていると思う。
この刃は初代是一だと思うが、今まで研磨させて頂いた是一でこの肌は無く、入れられず。。
焼き刃の質は全く違うが、ちょっと分からないので大慶直胤と入札。
 
 
 
三号、この刃は小反だと思う。南北朝で家助だと何度も聞こえて来るが、ちょっと入れたくない。。
家久って居た気がするので、小反家久と入札。
 
 
 
同然
同然



 
 
 
三号、ん?ちょっと惑わされ過ぎか。康光に。
五号、こりゃやっぱり是一。
 
 
 
同然
同然
同然


 
 
 
一号  刀 無銘 伝了戒   (重要美術品)
二号 太刀  銘 備州長船盛光(特別重要刀剣)
         応永十二年八月日
三号 脇差  銘 備州長船家助
         応永廿三年二月日
四号  刀  銘 住東叡山忍岡邊長曽祢興里作(藤沢乙安コレクション)
         延宝二年六月吉祥日
五号  刀  銘 武蔵大掾藤原是一

初代是一、私はたまたまあまり見る事なく来たのですが、柾目がスタンダードという解説。今まで研磨させて頂いた詰んだタイプの方が少数のようです。勉強になりました。
先ほど銘鑑を見たら小反に「家久」は居ませんでした。