日本刀傳習録

先日支部会員さんよりお借りした。

 序文
日本刀は我國建國の神器にして古来日本人の道義の心を修め来たりたる霊器なり。故に刀に接するには心を以ってすることが根本であつて目視を以って接するのは従である。鑑刀は視鑑により之を心に導き心鑑によりて日本刀の道玄を味ひ得るものである。故に刀を愛する事は心で愛するものであつて五感の一つである眼でのみ愛する事は眞の刀剣美の鑑賞にはならぬものである。其刀の出来たる當時の原始の美。確眞の美は心鑑によりて深厚に味ははれるものである。
故に刀剣愛好者の心は平静にして極めて浄善でなくてはならぬ。此心境によりてこそ確眞美のある日本刀の心と一致し得るものである。
此信念を以ってする度重なる鑑刀は日本刀道玄の門に入り其堂に歩を進むるものと信ずる。
本傳習録は自ら顧みて全編意を盡さず愧つる所多きも愛刀の諸賢若し著者の心を幾何か汲み得られたならば日本刀の為に此上もなき福祥である。
 山岡重厚

まだ読んではいない。未だ大戦中の気風が強く残る書だと思うが、こういう心も持って刀を鑑賞すべきだと思う。

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