刃取りのこと

2014年06月30日

刃取りは、色、深さ、ぼかし具合、形(かたち)などについて、研師や刃艶の個性が出やすい。
色やぼかし具合などは刃艶の質の影響が出やすく、目標点さえ正しければ良質な刃艶の使用でそこに辿り着く事が出来る。
しかし「形」に関しては研師それぞれが持っているセンスの枠を超える事はなかなか困難である。
研師は皆、様々なパターンの刃取りをイメージ出来、それを形に表す事が出来るはずで私も同じだが、時に自分の中には無いパターンに刃取られた刀に出会う事がある。
先日、とある脇指の横手下、3cmほどの間だが私の中には無いパターンに刃取られていた。
目に焼き付けようにも感度が低くすぐに忘れてしまうので携帯写真を撮らせてもらった。
何故?と問われ説明したが、なんとその部分だけ訳有って棟からではなく、刃から刃取ったと言う。

刃取りには、棟から取る方法と刃から取る方法がある。
どちらが良いと言う事は無く、流派や得手不得手、また個々の考えの違いでどちらかを行う。
刃から取る方も刃文によっては棟からも行う人もあると聞くが、棟からが基本の人は全てを棟から行う人の方が多数派だと思う。
私も特殊な物や特に理由の有る場合以外は棟から刃取る。

今回の脇指も棟から刃取る人の刃取りだが、その部分、刃から刃取った事により、枠を超えた訳である(本人はまだ研磨歴が短いため気が付かなかったようだ)。
正直今まで考えた事が無かった。
さてまた大変だ。 枠超えは簡単ではない。