支部入札鑑定 平成20年12月21日

一号 
 短刀。八寸ほどのすっきりとした短刀。 帽子倒れ。 室町中~後期に見えます。
一号にこれを持ってくると言う事は”来”などの古短刀か。
いや”来”と見せて実は美濃物と言うパターンか。
いやいや之定と見せて実は・・・。
 手掻包真と入札。
二号
 刀。 反りまだ有り、茎尻に銘状態でしょうか。 腰は大きめ先に行き直ぐ調の乱れ。 
至徳、明徳でしょう。
 長船政光と入札。
三号
 短い刀。 二尺一~二寸か。 広めの直刃。 匂い口深く、沸えるが少し沈む。
平地に鍛接の筋が長く一筋有り、途中途切れつつも同一線上に続く。
この筋に大変迷うが出来口を採る事にする。
 肥前初代忠吉と入札。
四号
 脇差。 大切っ先で反り深め。素剣等彫り有り。
わぁ分らない・・・・。 寛文以降か!?
 尾州信高と入札。
五号 
 平脇。 一尺一寸ほどか。 棟寄りに広めの樋。
兼房乱れ。
ここは京都支部なのでっと・・。
 大兼道と入札。
  イヤ
  当り
  通り
  イヤ
  同然
一号 あわわ。いらぬ事を考え過ぎました。
 之定に入札。
三号 んんん。 やはりあの白い筋は、いつも思う通りです。
 薩州正良と入札。
四号 ちょっと奇抜な脇差はこれか。
 丹後守兼道と入札。
五号 同然になってしまったか・・・(T-T) また妙な札の入れ方をしてしまった。 しかしこれが入札鑑定の楽しみです(^^)
  同然
  当り
  当り
  国入り
  同然
四号は全く分らなくなってしまったので、同然表を開きました。
大阪で諸条件に合う人は・・・。 全く見つからないので鈴木貞則に入札。
  同然
  当り
  当り
  同然
  同然
 一号 短刀 兼先
 二号 太刀 長船政光
 三号 刀  薩州正良
 四号 脇差 井上和泉守国貞
 五号 脇差 兼房 
三号の正良ですが、薩摩刀にこの手の白い筋の有る物をよく見ます。 鍛錬方法の表れなのでしょう。 芋蔓(いもづる)もこれに関連するのでしょうね。 他国にはあまり見ません。
普通に薩摩刀に見える出来ならば簡単なのですが、全くそう見えない場合、もしもこの筋が有れば薩摩に入れれば当りそうです。 
いつもそう思うのですが、どうしても出来に負けてしまいそっちを重視してしまいます(>_<) しかし今回で確信しました!

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