「京都刀剣まつり」ですよ!

日時:平成26年5月2日(金)~5月4日(日)
    5月2日 午前11時~午後4時40分
    5月3日 午前9時30分~午後4時40分
    5月4日 午前9時30分~午後4時
場所:京都勧業会館(みやこめっせ)特別展示場(地下1階)
     京都市左京区岡崎成勝寺町9-1
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今年も岡崎の「みやこめっせ」にて京都刀剣まつりが開催されます。
多数のお店が出店されます! 出店リスト
そして全日本刀匠会近畿地方支部ブースもありますよ! 
新作刀の注文打ちをお考えの方は是非足をお運び下さい。
現代刀匠のお話を直に聞ける貴重な機会です。



小刀を修理する

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砥石テスト用小刀の差し裏。 
フクレが破れており、仕上げ砥石を試すとどうもここからヒケが入り具合が悪いのでなおす。
筋より上が皮鉄で下が芯鉄。 通常の傷パターンだ。
それにしても刃が下がって匂い口が寂しい(前日のブログ参照)。
疲れて焼きの下がった末備前の大磨上などは、映りも沢山出るし(疲れ映り)、焼き頭が離れ飛び焼きになったりと一見にぎやかになる。研ぎ減ると刃が下がってしまう刀も多い事を知らないと一時代古い所の名刀だと勘違いしてしまう方も多いかも知れない。
そういう疲れた状態の刀が”味がある”と表現される事は多い。
この疲れの過程を踏まえた上での評価は大いに賛成するが、ただ単に古刀至上主義が故、若く健全で冴えざえとした品を忌避する見方には違和感を覚える。

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ちょっとめくって見る。 
ぺらい。

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軟らかい方が速いので古刀用資材を入れる。
皮鉄との境目ははっきり出たが芯鉄と同じ程度の硬さだったようだ。 



テスト用小刀

砥石テスト専用小刀を作った。

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新刀、甲伏と思われる。 焼きの高い乱れ刃だったが身幅そのままに鎬地狭く平肉を完全に落としたのでかなり刃が下がった。  
裏にはフクレ。 新刀をこのように減らすと多くの場合流れる荒れ肌とフクレが出る。
傷を押し切ろうとして状態を悪化させ途中で諦めそのまま研ぎ上げた物を度々見るが、研師は刀身の状態を見て様々な判断をしなければならない。
この小刀を基準に多数の砥石を試せば、これ一本で砥石の良否判断が出来る様になる…(予定)。 
しかし芯鉄が軟らかく何でも良い砥石に感じてしまうかも知れない。 焼きはそこそこ硬いのでしばらく試す。



天然砥を試す

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大平山以外を幾つか試す。
某山の石はいつも通り不可思議。 大平ならば必ず当たるはずの筋、或いはもっと酷く見える筋でも全く当たらない刀が多い。が、今日試した刀には引き難い。
別の山の巣板。 この山にしては研磨力が有ると感じるが残念ながら地を引く。 刀が軟らかいのでこの研磨力はまやかしかも知れないが、こういう砥質の場合、時代の若い刀には大変有効な砥石の可能性が有る。 また若い刀で試す事にする。(今日試した刀も若いが少数派の鉄質なので)
また別の山の内曇。 大変引き易い。 この山でこれだけ引けると言う事は先に試した石の質は相当劣ると言う事になってしまう。
一つの山から出る石の質には一定の法則の様な物があると思う。
安定大量に供給されれば使う側としては選別もし易い。
しかしそう言う状況に無い現在では色々と手を出さざるを得ない。
刀を研ぐ為の天然砥の選別は容易ではないわけである。
(例えば一般に刀剣研磨に使用される内曇砥、現在は”時価”との様相を呈すると言っても過言ではないが、半年ほど前で尋常な厚みの内曇が一丁10から15万円であった。)



ハンズが

本日の支部会では室町上御霊前、国登録有形文化財である生谷家住宅主屋にて前々京都支部長、故生谷敬之助先生御遺愛の刀剣類を鑑賞させて頂きました。(国の資料では築年が明治となっていますが近年の調査で室町上御霊前一帯は蛤御門の変で焼けていない事が分かったそうで、幕末頃の建築ではないかとの事でした)
新撰組からの注文書が附帯する大隅守廣光の刀など20振り以上が並び、盛況な会となりました。
以前から度々書いていますが、こんな具合に↓
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/nitinitisyou/view/20070118
四条駅で広告を見ました。 ついに!

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仕事道具はネットで注文して翌日届くまで待てない事も多いので・・念願叶います。



工具などを

寺町三条の伊勢屋さんで工具を買う。

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小さい店舗だが手にとって選べるのはありがたい。工具類はネットで買う事が多いが微妙なところは賭けになるので。

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ヨドバシカメラで安もんのヘッドルーペを買った。
目には自信があるつもりだったが最近は危うかったので。 通常の研ぎでは問題無いが特殊な仕事には必要になる。
小さいニッパーは好みの道具でした。切断面が直角になるのが欲しかったので。
もう一つは磁性があり使いにくい。抜く機械は高いのか? ヤフオクか。
ここ最近は切先直しやフクレ消し、部分錆びとりなど小範囲研磨を進める。 こういう仕事はとにかく経験がものを言う。



色々とすすめる

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短刀の押形を描いたり。

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逆丁子も描く。

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産地不明の砥石を試す。 三本ともアウト。
研ぎ場にて錆び身で出たと言う鎌倉前期乃至中期在銘太刀を拝見。 こんなのがよく残っていた物だ。凄すぎ。
研ぎ場にて片手打ち拝見。 両刃の様な地鉄で美しい。
研ぎ場にてめったに見ない山城新刀拝見。やはり上手い。
数ヶ月ぶりにヤニ台を使う。 角度を変えられると言うだけで色んな仕事が成功すると改めて実感。

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難しい研ぎの時、近くなので三千院に写経の真似事をしに行った。 気持ちよい。



難しい仕事が一段落した。
煮詰まり過ぎて煮詰まるはずの押形作成も気分転換になった。
苦労は身になると信じて苦しい作業をやりきる。 
世の中ではそう言う環境に無い方も多い中、この仕事を続けられる意味を理解し感謝する。



京都刀剣まつり

恒例の「京都刀剣まつり」が開催されます!
今年は5月の2.3.4の三日間!
場所は岡崎の「みやこめっせ」です。
京都在住の方はもちろん、観光で京都に来られる方もどうぞ足をお運び下さい。
素敵な出会いがあるかも知れませんよ。