飛騨守藤原朝臣氏房作

6月15日の入札鑑定5号短刀、飛騨守藤原朝臣氏房で慶長十年八月日の年紀であった事をブログで書かせて頂いておりました。
その後、たまたまブログを見て頂いていた、この短刀に関わりのある方が押形のコピーをお送り下さいました。
押形掲載のお許しを頂きましたのでご紹介させて頂きます。
氏房
刃長九寸七分三厘、無反り、表は樋中に素剣、裏は腰に梵字で上に護摩箸。そうですそうですこの短刀です!
焼き幅広く、氏房らしさがよく現れた出来です。(私はその”らしさ”に気付けず当てられなかったのですが)
私、大和、備前など古い所も好きですが、若ければ氏貞、氏房、大道、ノサダ、兼則等の美濃系に見えない美濃系の作や、初代金道の美濃系らしさがよく現れた作等大好きです。
この度は貴重な押形をお送り頂きましてありがとうございました。

NHKさんに取材に来て頂きました。
ff
カットされなければいつか放送されると思います。

研ぎ場にて新々刀著名工と山陽道の古い所の在銘年紀入り二振り拝見。
若い刀と古い刀が対照的な研ぎ。
通常、研磨の方向性は研師が選択しますが、やはり片寄る傾向にはあると思う。

それが間違いだと言いたい訳ではないです。



「第5回新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」

長野県坂城町の坂城町 鉄の展示館にて「第5回新作日本刀 研磨 外装 刀職技術展覧会」がはじまりました。
第5回

会期等詳しくは→坂城町 鉄の展示館

長野は私も度々訪ねますが素敵なところですね。
空気も蕎麦もおいしいです。
展示の方ですが、気合の入った新作刀が多数並びまた、古刀から新々刀まで様々な名刀も出品されています。
ざっと思い出すままに・・・清麿、水心子、助廣、南紀、正家、元重、義景、長重、兼光、景光、雲生などなど。
私も、研磨させて頂いた品の展示をして頂いております。
nagasige6
今年の夏は涼しい長野で、新作の凄い刀から古名刀まで、ゆっくり鑑賞ってよくないですか?!



ハンズに行ってみた

本日オープン。
私、オープン初日に行くようなタイプではないのですが、ちょっと行ってみました。

ネット時代を表した感じでしょうか。
工具等充実させたところで、いまどき皆ネットで買っちゃいますから売れないんでしょうねぇ。
コンセプトはもっと他にあるようです。



5号短刀

先日の入札鑑定5号短刀、少し気になって調べてみた。

一の札の後に「慶長年紀がある」と聞いたので、康継に入れた。
刃縁がばさけないタイプの初代の刃に似ていたし、地肌が白かったので(康継の解説は地鉄が黒いとするのが殆どだが私には白いイメージが強い)。 しかし後から気になっていたのだが、康継の年紀入りの実物を見た事がない気がする。

そんな事も知らんかったのかと叱られそうな話だが、康継大鑑によると康継に年紀のあるものは極めて少なく、慶長十八年が一振り、十九年に数振りと元和五年一振りしか確認されていないそうだ。 昭和35年の古い本なので、その後の発見は有るかも知れないが、極めて少ない事に変わりは無いと思う。
私の満足しきった札などこんなものだ。