≪新刀≫摂津 陸奥守包重 切截切付銘入

刀、大磨上無銘(陸奥守包重)切截銘 ワキケ森半平切之 (寛文頃 摂津国)

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大磨上無銘で大和手掻系大坂新刀の陸奥守包重と極めがあり、「ワキケ森半平切之」と切截切り付け銘が入る刀である。
切截銘とは、実際に人間の胴体を使用し試し斬りを行った結果を金象嵌銘や切り付け銘として茎に残したものである。
「ワキケ森半平切之」は”ワキケ”と言う部位を森半平なる人物が斬った事を意味している。(森半平については詳細不明)
胴体の切截箇所には数センチ刻みに名称があり、流派や時代によってさまざまだが、20を超える部位に名称を持つ流派もある。
この刀の切り付け銘は時代や流派など不明だが、”ワキケ”(部位名称 脇毛)とある事から、脇の下、或いは胸部を斬ったものと思われる。
また本刀のように切截箇所を示す銘のほかに、二ツ胴切截、三ツ胴切截など人間を何人重ねて切截したかを記すものもある。
『首切り浅右衛門刀剣押形』を見ると、末古刀、関兼房の刀に「七ツ胴落 延宝九年二月二十八日 切手 中西十郎兵衛如光(花押)」と、七人重ねで切截した事を示す凄まじい金象嵌切截銘の入る刀が載っており、刀にはそれほどの切截能力があるものかと驚かされる。(七ツ胴兼房は平成16年に重要刀剣指定を受ける)

本刀はあえて身幅を少し狭く重ねを厚くし、平肉をたっぷりと付ける力強い造り込み。
総体に柾がかる地に絡み砂流しが盛んに入り、大変明るい刃に粘る鉄質で、骨の多い”ワキケ”部の切截も造作なくこなしたのではなかろうか。

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