≪古刀≫大和 龍門

刀、無銘 龍門(大和国 鎌倉時代中期)

刃長 二尺四寸 反り 五分

龍門2

本刀は大磨上無銘で龍門の作と極められている。
龍門派の刀工は幾人か居るとされるが、一人延吉のみ世に聞こえる。
延吉は大和国吉野は龍門荘に住したといわれ、 千手院派の流れを汲む鍛冶と伝える。
(重要刀剣図譜では初期から第16回(昭和42年)まで、解説に龍門を当麻派として居るが、その後しばらく流派を記さない時期が続き、第23回(昭和50年)以降千手院派としている)
大和物は五派(千手院・当麻・保昌・手掻・尻懸)をはじめこの龍門についても在銘の品が稀で、また残る記録も少ない事から系譜などについて未だ解明されない点が多い。

延吉には、賑やかに乱れる刃を焼き、地には映りを見せる備前様式の作、或いは地に柾気を表しそれに絡む直刃を焼く大和色の強い作がある。
東京国立博物館美術誌「MUSEUM」No.475、小笠原信夫先生の「龍門延吉に関する一考察」に「延吉が千手院派の流れであるとされるのは、延吉の乱刃の作風が五派中千手院派に一番近いという鑑定上の判断から出たものと思われる」との見解を示されているが、これは上記延吉の作風の前者を指している。
この度ご紹介する品は後者、即ち大和様式を強く示す作風であるが、延吉の出来はその中でも特に上品で穏やかな物である。
本作は地錵付き地景を見せ、板目主体に刃寄りに柾が現れる地鉄。刃文は直刃基調に湾れを見せ、刃寄りの柾肌に絡み、ほつれ、食違い刃などの働きが豊富である。
重要刀剣指定品。

龍門2