馬手差

ちょっと珍しい馬手差(めてざし)の拵を拝見しました(時代は幕末程度と新しい物です)。
通常、刀は左腰に差すものですが、馬手差つまり右手差しは右腰に差します。(栗型の位置を見て頂くと分かりやすいかも知れません。裏に付いています)
右腰にどの様に差すか、資料が殆ど残っておらず不明な部分が多いのですが、数種の差し方が考えられています。
説の中に柄が帯の下に出る差し方説がありますが、それだと鞘走るのではないかと感じて来ました。
しかしこの写真の拵えには鯉口にストッパーが付いていて、鞘走る心配はありません。

馬手差しは右腰に差し、右手で抜くとされています。この拵えを右腰に当ててみたところ、柄を後ろに帯の上に出し、刃が下状態で右手で柄を握った時にストッパーの解除ボタンが丁度人差し指で押せる位置に来て抜きやすいと感じました。武道経験ゼロの私ですけども。。
この短刀は刀身が9寸弱と短いので、柄を後ろにして右手で抜いても引っ掛かる事なく素直に抜けます。
ただ西円堂の馬手差の刃長でその抜き方だと、相当身体が柔らかくなければ刀身が長すぎて鞘から抜き切れないとも感じました。

過去ブログ 入鹿實可拝見。馬手差しのこと



末備前など

出先にて末備前を二口拝見。
全くと言っていいほど研ぎ減りがなく、非常に健全。新々刀の様な状態で。銘字も端正。
一つは末物然とした地鉄、もう一つは少々古調な地鉄で。
末備前には個人的好みが全く無いのですが、こういうのを見てしまうと良いなぁと感じる。
重刀ではないと思うとの事でしたが、帰宅後調べると重刀指定品。
山城物の珍しい所を一口。この様な品が重刀になっていると嬉しくなる。
出先にて生荷を多数拝見。中に薄錆身の大変良い薙刀直しがあった。
出来抜群。昔の研磨も頗る良い。
重刀にはなっていないとの事でしたが、いやこれは成っているでしょうと思う。
帰宅後調べるとやはり指定済み。



相伝系

末左、長義、高木貞宗、則重、貞宗、行光、そしてまた長義と全身押形を採拓しました。ここまで相伝系が続いたのは初めてで、偶然とはいえ何だか凄い。



重りを買う

かなり久々に押形用の重りを作ります。

私のやり方では、今まで12個でやっていましたが、本当は14個がベストなので。