朱銘を入れる

朱銘、兼基 八十一翁松庵(花押)
朝から現代刀の刃付けを行った後で腕がプルプルで。。刃文描写に入ろうと思ったが断念。

しばらく前の刀剣美術「名刀鑑賞」に来国光の松庵朱銘がありましたので、以下その解説を引用させて頂きます。

『「松菴」は明治時代の故実家で、東京帝室博物館(現東京国立博物館)の学芸委員を務めた稲生真履(司馬遼太郎の歴史小説『坂の上の雲』の登場人物で、海軍軍人として日露戦争時の日本海海戦などで活躍した秋山真之の義父)のことで、刀剣をはじめとして古美術品に造詣の深い人物として知られており、他にも同氏が極めたものが幾点か確認され、本作の極めよりして同氏の炯眼の程が窺われるものである。』

今回押形採拓中の朱銘兼基。三本杉基調ではありますが出入りは大人しく、頂点の尖り具合も優しく、元から先まで揃った形とはならない三本杉の祖型的刃文となっています。地鉄は地錵が細かく付き地景が多数確認できる板杢で非常に良質。
この出来を見れば”孫六”と言いたくなるところですが、身幅若干狭めの大人しい造り込みであり、鋒も詰まり気味の点などを考慮してこの極めとされたのでしょうか。大変勉強になる良い極めだと感じます。

翌晩刃文を描く。
もしかして三本杉系を墨筆で描くのは初めてか…。難しくて驚いた。。



朱銘の

朱銘の刀、全身押形をとる。
朱銘は茎の白く残した箇所に朱墨を磨って書き入れます。
この作業が結構好きです。押形に朱肉で落款を押すと途端に全体が締まって良く見えるのと同じでしょうか。
鐔の赤銅覆輪や拵の金着切羽と同じですかね。

ブログで押形の事ばかり書くので、”あいつは研いで居ない”なんて思われるかも知れませんが、研いでます。
押形は一日のごく一部。



無題

どうしても体力の限界まで研磨をしてしまうのですが、年々体もきつくなり。。
休憩中に押形を制作。とはいえ、輪郭を取ったりするのは意外としんどいもので、研ぎの後だと結構辛いのですが。

某郷土刀。初めて聞く人です。
時間が本当に無くて部分にしようかと悩んだのですが、やはり全身でと思い、やむなく片面全身で。

来金道。貴重な銘の。

鎌倉末期備前。

薩摩の初めて聞く刀工。

新刀薙刀。薙刀採拓も大分慣れました。

こういう皆焼。寸延びですが、姿が秀逸。

二尺六寸の太刀全身。



埋忠刀譜が届きました

埋忠展のクラファン、「埋忠刀譜」が届きました。
以前から埋忠銘鑑は持っていたのですが、記念のつもりでポチりと。。
しかし今後埋忠銘鑑の方を開く事は無さそうです。買ってよかった。
埋忠刀譜では本来の配列通りになっているとは知っていましたが、絵図自体が埋忠銘鑑とは結構違うんですね。比べてみて実感です。
また何より、昔の読めない崩し字の翻刻が有難い。