見やすい帽子を描く

何が大変って、見えにくい刃文が一番大変です。
光の角度をあれこれ変えながら探しても、眠くて見えない刀は結構あります。
なので押形を描く際は、研ぎで赤く嫌らしく立てられた刃、もしくは差し込み研ぎの刀の方が楽ですね。
差し込みで真っ赤なのはベストです。(嫌味です)

上の押形は普通に研がれた古研ぎの刀。
刃が明るく見やすい。帽子も良く見える。
ざっくりこれ位の描き方で実刀の雰囲気を紙上に再現出来ると気持ちいいです。



全身押形、再度分類する

やはり気持ち悪いので再度分類し、筒に番号を付け入れ替えを。
今まで筒の数が無駄に多かったのですが、かなり減らす事が出来ました。

備前 44
山城 26
現代 16
美濃 15
大和 13
紀伊  9
肥前  9
相模  8
大坂  8
武蔵  6
薩摩  6
備中  4
備後  4
筑前  4
肥後  3
伊勢  3
越後  2
加賀  2
近江  2
信濃  2
陸奥  2
越中  1
越前  1
長門  1
常陸  1
播磨  1

これで必要な時に取り出しやすくなりました。
必要な時はあまりないですけども。

※もう手元に無い物もリストに入れてます



分類を試みる

全身押形は、基本的に採りたいと思った物を採るスタンスで来ました。
今手元にどんな物があるのか、そういえばその事は全く考えて来ませんでしたが、採拓順にまとめて筒に放り込んでいるだけでは何かの時に探すのが大変です。
差し上げる事も結構あり手元に無い物も多いのですが、とりあえず原本が手元に残っている物を、新刀・古刀、そして国別にリストUPしてみる事に。

現代     6

新刀 陸奥  2
新刀 常陸  1
新刀 信濃  2
新刀 越前  1
新刀 江戸  7
新刀 近江  1
新刀 美濃  1
新刀 山城  5
新刀 大阪  7
新刀 備前  1
新刀 肥前  6
新刀 薩摩  1
新刀 紀伊  2

古刀 大和 10
古刀 山城 10
古刀 美濃  5
古刀 相模  7
古刀 遠江  1
古刀 伊勢  4
古刀 越前  1
古刀 加賀  1
古刀 近江  2
古刀 備前 40
古刀 備中  1
古刀 備後  4
古刀 長門  1
古刀 筑前  3
古刀 肥後  1
古刀 薩摩  5
古刀 紀伊  6

未分類 新刀 1
未分類 古刀 1

初めてこうして見てみましたが、やはり古刀が多くなっているんですねぇ。
そして圧倒的に古刀の備前物が多い。
地方刀工そして大和物が好きだといいながらも、結局こんなにも備前物が多くなってしまうのですね。。これはちょっと驚きました。
そもそもの数が多く、研磨の機会が圧倒的に多いのがまず一番ですが、やはり良い物も多い、そういう事になるんだと思います。
ただこの数の差は、今後意識してしまいそうです。備前物の採拓率は下がる気が。。
で今気づきましたが、越中とか入って無いですね。有るはずなのに。それに全体の数も思っていたよりかなり少ない。
多分筒何本か分がリストから漏れてますねこれは。
また最初からですか。もうやらないです多分。






諸々

少し前に描かせて頂いた鎌倉初期かと思われる太刀の全身押形を引っ張り出し、色々確認。
初めて拝見した時から変わらずやはり凄い太刀で、これ系の最高峰の一つだと思う。区の踏ん張りの美しさが尋常ではない。
研ぐ立場で考えると、焼き落としの場合、焼き出し以下が一番減るもの。にも関わらずこの踏ん張りはちょっと普通ではない。

某企画の撮影・撮像その他でいつも大変お世話になっている方々が研ぎ場に集まる事になり。
異分野の方々のお話は私の様々な物事の源になる。

しばらく振りに岩国へ。また色々勉強になりました。ありがとうございました。

享保名物の押形を描く。健全で気持ちいい刀。
江戸中期以降の極めは色々あるが実は結構好きで。
ただ古極めをみると敬服させられる。