為次

古青江為次折り返し銘。
2018年の支部鑑定刀として使わせて頂いた御刀です。
2月日刀保京都府支部例会
あれがもう4年も前ですか・・・おそろしや。
やっと全身押形を制作出来ました。
為次の代表作は国宝の「狐ヶ崎為次」。その他為次現存品は幾つかありますが、どれも狐ヶ崎とは銘振りが違います。
そんな中この折り返し銘の為次刀は、狐ヶ崎と同銘、即ち狐ヶ崎と同一作者ではないかと個人的には思っています。

あ、棟先を繋げるのを忘れてました。



無題

全身押形を進める。
全体に昨日とは少し違う雰囲気に。
押形は二十数年やっていると思うが、私の刃文描写は今回のこの雰囲気が完成形かも知れない。
濃くてかっこいい刃文は描けず。絶妙な薄さでハイスピード、大胆かつ繊細なあの技術も無理で。
その二つの中間的なものでしょか。



古青江

古青江を拝見したり研磨をさせて頂く事は度々ですが、魅力的な刀が多いです。(押形はまだ途中なので棟区が繋がっていません)
古備前によく似ているので鑑定に出た場合などは迷う物ですが、個人的感想でいえば、古備前より野趣を感じる物が多い気がします。
何がそう感じさせるのか。やはり地鉄ですね。縮緬肌と称される独特の風合い。
厚い(大きい)地艶を使ってしまい、最低な結果になってしまった古青江もたまにはありますが、古青江を研ぐ研師は研げる研師が普通で、大体は上質な縮緬或いは縮緬風の地鉄に仕上がっています。
今回も良い縮緬に仕上げるべく時間を使います。



現代刀の入札鑑定会


過去ブログの調べ物をしていましたら「現代刀目利き認定大会」のブログ記事があり、見てみました。
いやぁ、楽しさが蘇ります。
  現代刀の入札鑑定会 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)
「今まで経験した入札鑑定会で過去1,2を争う楽しさ」と書いていますが、訂正しないとダメですね。
過去”断トツに一番楽しい”入札鑑定です。
何故楽しかったのかを考えたのですが、これが結構複雑というか深くて、簡単には書きたくなく。。
また是非開催して下さい!m(__)m

先日の支部会の2号現代刀への入札結果は大変興味深いものでした。
  支部入札鑑定会 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)
入札鑑定会に現代刀が並ぶ機会がもっと増えるべきだと思います。

一時期、入札鑑定を否定する風潮があった様に思いますが、それは今も続いているのでしょうか。
迎合するのは簡単なんですが。一旦落ちだすともう止められないし戻せないですよ。
職人の技術も同じで。全体が落ちると戻すのは難しい。
”時代”で片付けるには大き過ぎる損失です。