人みたいなものです

毎日、目の前の仕事に一所懸命。
基本的に半径1メートルの世界で生きている気分です。視野の狭い事、狭い事。
こんなのでいいのか?なんて自問自答する事も正直あるわけですが。
こういう生活を見て、「だから職人はダメなんだ」と思う人も多いですよね。
でもここからしか生まれない物も多いんですよ。

話は変わります。
刀は人みたいなものです。
人は、誰かと一度会えば結構ちゃんと記憶に残りますよね。
一度話せば数年後すれ違っても「あっ」と思います。
刀も沢山見て行くと、個体識別みたいな事が自然に出来ます。
誰だったか名前は思い出せないが見た事がある、と。
それは白熱灯でしっかり鑑賞するとか茎を開けて銘を見るとかをしなくとも、ぱっと一瞬見ただけでも「あっ」となるものです。
先日北山通りを車で走っている時、歩く人を見て「あっ」と思ったのと、数年前に研がせて頂いた御刀を先日全く別の方から部分研磨にお預かりし持ち帰り、柄を抜きハバキ元の化粧磨きを見るまで「あっ」と思わなかった事で、思いついた話でした。